鳥海山頂8月26日day57〜山頂で暮らす〜

おはようございます!

山頂5時半、ガス、気温10.5度、風強い、視界30メートル

 

ガススタート。

寒い、昼前より雲が取れ晴れる予報。

久しぶりに山も騒がしくなりそうです。

 

下界にある私の家の部屋にはテレビがない。

だから街の生活の中でテレビを見る、ということはほとんど無い。
一日中一度もテレビを見ることが無い日、ということも多々ある。

それで私は満足だ。

満足な人生だ。

きっと、

きっとそうに違いない、、、

 

山頂での暮らしの中で、テレビを見ている時間はとてもとても永い。
主な仕事場である社務所の中では、朝から寝るまでテレビがついている。

出来るならば、

なかなか街の暮らしの喧騒の中、穏やかな時間を充てたいと思いながら後回しにしてきた活字とのふれあいや、
自分自身と静かに向き合う座禅のひと時に意識を置いて過ごしたい。
そうしたいはずだ。

でもそれはしない。

いや、できない。

そもそも集中力というものが人より欠落した人間として産まれ生きてきた私が、テレビが、狂人の独り言のように一日中喋り倒す空間で他の何かに集中できるはずがない。

しない。

テレビを見る。
面白くとも面白くなくとも私はテレビを見る。
テレビが好きだ。
私はテレビっ子だ。
生粋のテレビっ子だ。
テレビを愛している。
あの、
四角い箱の中で、
人が泣いたり笑ったり、
たまの何かのタメになるような番組も、
全く一切合切何のタメにもならないほとんどの番組も、
あの、ただただひたすら垂れ流される情報たちに、
なんならこの人生ごとささげ、
他のなにものも犠牲にしたって構わない!

それが誰かに時間の無駄遣いだと罵られようと!

それが非生産的な愚かな生き方だと決めつけられようと!

構わない!

構わないわっ!

そう。

何を隠そう。

私は泥沼のテレビ狂愛主義者だったのだ。

仕事も辞めて、
身体を鍛える事も、
生きる知恵を蓄える事も、
人と出会い人生の豊かさを知る事も、
詩人も、
世界征服も、
何もかも諦めて、

全てを棄てて、
出来ればテレビと一日中いちゃつきながら日が変わるのも気がつかないくらいぐちゃぐちゃに愛し合いたい。

テレビ、万歳!

ありがとう!

ありがとう!

テレビ最高!

テレビ大好き!

おまえの為なら死んでもいい!

 

そして私は想う。

 

必ずしも人は、

愛するものを手に入れる事が、

幸せに直結するとは限らない。

 

ふむふむ。

昨日の昼から秋ならでわのスッキリとした青が空を支配し、
山頂小屋管理人は、
無駄に解放され、
また新たな自分を発見し、
つまるところ、
なにがなんだかわからなくなっています!

山頂で暮らすって、まぁ、そんな感じ。

さて、
今日も元気に生きましょう。