山頂記録2018.9.4

9月4日 am6:30
気温 : 13.6°c
風 : 弱い
視界 : 良好
素晴らしい影鳥海、営業中に現れるものとしては最後の影だったかもしれない。今日の午後には近づいた台風の影響で山頂は何日か孤立するだろう。

半年の東京出稼ぎ生活を終え、貯金も目標額へ、友達も沢山居て、東京はより身近な場所に。
またそのうち。
そう思いながら秋田へ戻った。
今思えば、次に東京の地へ降り立ったのはそれから10年も先、それがわかってたら少しぐらい観光みたいな事もしておけばよかった。

インターネットや携帯も普及し、いつでも誰とでも連絡がとれる。どこにいても世界中の情報を文字や写真などで、自分で選び得る事ができる。
世界はどんどんコンパクトになり、地球はもはや神の手ではなく、人の手にのる青いボールとなった。

自分の街を知るには他の街を1つ知ればいい。
後は、
肌の色が違おうが空の色が違おうが文化が違おうが土壌が全くが違おうが、
何がどのくらい違うのかがわかる。
東京で手に入れた最大の武器は世界を測る為の物差しだった。

自分を知るには他人を1人知ればいい。
詩を描くとは、自分と世界との狭間の的に正確に矢を射るようなものだ。
「世界を測る物差し」
をくれた東京という街には感謝しかない。
そして、
今まで20年も住みつづけ、まるで知り尽くしたと思われた生まれ故郷、秋田の、本荘の、若葉町の、友達の、親の、出会う人、見る景色、感じる風、全ての真実に興味が湧いた。

私は、無知な探究者。
人間は皆、無垢で無知な探究者である。

果て無きハテナの旅のはじまりである。
歳は23、
自分が何も知らないと知った生まれたての詩人であった。

つづく。