山頂5時
気温12.2度
風弱い
視界100m
じっとり雨、一日中続く予報。
2019.8.20
〜さかなやさんと俺エピソード2〜
ベテラン山小屋管理人で大先輩のさかなやさんは全くと言っていいほど仕事の出来ない男だった。
唯一与えられた仕事は飯を炊く事、味噌汁を作る事のこれだけ。
それでも釜のスイッチを入れ忘れたりして宿泊客のご飯の時間に間に合わないという事がたまにあった。
忙しい日もヒマな日も特に彼には変わりはなかった。
流石に忙しい日は少しは動いてもらいたいと思い、ある事を思いついた。
もしかして彼は、、、酔拳の使い手かもしれない。
昼間から酒を呑ませてみた。
喜んで呑んだ。
そして呑めば呑むほどよく働いた。
呑めば呑むほど仕事ができる。
目が冴え体が動き頭の中もシャキッとしているようだった。
やはり彼は酔拳の達人だった。
呑めば呑むほど強くなる。
そして、
酒が切れるとまた静かな男に戻り動かなくなった。
つづく。