山頂記録2018.8.27

8月27日 am7:00
気温 : 9.3°c
風 : 弱い
視界 : 良好
久しぶりにみた外輪、風は少し残るが今日、明日は少し外を歩けそう。異常な暑さはさり秋の山頂。

たった一度だけ、

先輩の誘いに乗っかって、ただ興味翻意で握ったマイクは、あの日スイッチを切り忘れたまま、現在に至る21年の間、今もなお右手に握られている。
これまでの人生の半分以上をその意味について考え続け、理由を探し続け、手放す事も、忘れてしまう事もなかった。
それは常に人生の様々な選択の場面で舵を取り、良くも悪くも様々な結果をもたらし、そしてその全ての結果について一切の後悔も生み出さなかった。
そのほとんどが失敗だったのかもと想い出したとしても。
それは今もって幸運意外の何者でもないと信じられ疑いようもなく、その保証も説明書もない方位磁針の指し示す方角にこれからもただただ歩み続けるだろう。
人生をひとつの地図と描く時、何か目標を立てそこに向かう時、いくつも現れる分かれ道を迷う時、無条件で信じられるジャイロを持つことは、確かにその人生を豊かにすることになるとはっきりと言える。
儚く短くいつ終わるともわからぬそれぞれの人生、迷い思い悩む事に時間を費やす人を沢山みた、会って話を聞いた、時はその間も止まらない。人は思い悩む間、その場にただ留まり続け、成功することも、失敗することすらできない、成功も失敗もただ先に歩みを進める事とひとつだとしても。
21年前のあの日から、また新たな人生。
何かが終わり、何かがゼロから始まるわけではない。それまで、ただ右も左も、前も後ろもなく歩き続けた人生を、信じるべき指針の導く方角をたよりに歩む事にした日。そう意識した訳でも、心に決めた訳でもなく、ただそうなった日。
あれから21年を、
残りの山小屋生活のここに記す。

つづく。