8月3日am5時
気温:12.5度
風 :弱い
視界:100m
日の出と共に山頂を覆うガスが晴れ始め光が差す。今日はこのまま晴れるのかもしれない。
高校生だから16歳、
てことは23年前、
だいたい1995年頃か、
中学のダンス仲間は皆高校でバラバラになり交流も少なくなっていった。
携帯電話もパソコンもインターネットもほとんどない時代。
特に秋田の片田舎のこの街の情報源はテレビか新聞、雑誌、人の噂ぐらいのものだった。
だからダンスをしてると言ったって完全な独学、何の曲で踊ったらいいのか、その曲がいったいなんて種類のものなのか、とにかくさっぱり。
中学の時のダンス制作で参考にした「元気が出るテレビ」のダンス甲子園の録画映像を擦り切れるまで観たり、ビデオ屋でとりあえず踊りそうな黒人の映ったジャケの映画かりて観たり。
何も無いという事は素晴らしい。
最初から何も無いから不便を感じることはない。
自分の興味の赴くままに手当たりしだいに吸収し、常識や非常識に囚われ自分を型にはめる事も無い。
世界中にダンスなんかしてるのは自分独りでも構わなかった。
そんな私に転機が訪れたのは高校入学後の夏、私のダンス歴を知る仲の良い先輩と街でたまたま会ったのがきっかけで中学以来の新しいダンス仲間と出会う事になる。
つづく。