山頂5時ガスの中
気温14.1度
風やや強い
視界50メートル
朝は霧の中、霧は薄く明るくなるにつれ遠くの景色も薄っすらと形を現す。
風が落ち着けば山頂も晴れるだろうか。
番外編
〜たまにある山頂付近での滑落事故2〜
案の定、簡単に傷病者は確認できず。
装備を整えて今だに大量に残る雪渓の上に出た所で発見。
まずはケガ人の状態を確認、緊急の処置を要するの出血の有無などを診て、付き添いの同パーティーの方にヘリコプターでの搬送依頼を消防へ直接要請してもらう。
60代後半の男性の3人パーティーで日帰りの予定での下山開始直後での事故。
16時前、青空は見えるが山の周りを積乱雲が取り囲む不安定な大気、山頂が空いていても、ヘリコプターが待機する東根市が雷雨により飛べないという状況。
ここで心強い味方、たまたまガイドで山頂小屋を目指していた酒田市の山岳遭難隊の方が事故を聞き現場へ到着、傷病者の観察、ヘリや警察との交信を交代し傷病者の体を温めるため毛布を小屋から持ち出し現場へ。
そんな事をしている間に山頂付近でも雲が発生、ヘリが山頂付近についた16時すぎには風向きも変わり晴れていてもヘリでのピックアップまでは至らずタイムリミットの5時半をまたずに完全に雲の中の事故現場から山頂小屋までのタンカーを使った人送を決行。
山岳遭難隊の方と共に人手を用意し足元の不安定な登山道を10名ほどの有志と30分かけて小屋まで降ろす。山小屋にいた神社職員2人と私、一般の山小屋宿泊予定の登山者5名と付き添いの2人、まとめ役の隊員はこの即席の隊を的確な指示で狭く難しい登山道を全員の安全に留意しながら確実に降ろす。
つづく。