山頂6時くもり
気温12.0度
風 弱い
視界100メートル
山頂は弱い風と濡れガスの中、今日はこんな一日か。
2019.8.23
〜さかなやさんと俺エピソード5〜
さかなやさんは良い酒呑みだ。
彼は酒を呑むと誰とでも仲良くなった。
ある日たまたま泊まりにきた初対面の地元の青年と意気投合し、夜も更けるまで酒呑みは続き、スタッフの晩酌の場では収まらず、私とさかなやさんの寝床で延長戦が始まった。
その日私は疲れていて早めに退散し、既に部屋の2段ベッドの上で休んでいた。
ガラガラと乱暴に小屋の戸が開いて、青年を招き入れる声が聞こえ、すでに休んでいる私にとっては迷惑極まりなかったが、何も知らない青年の山小屋での夜の思い出にケチをつけたくなかったので黙っている事にした。
さかなやさんはすぐ隣の2段ベッドの上で寝ている私を起こし、その行き当たりばったりの飲み会に参加させようと、何度も「まなぶ、まなぶ」と呼びかけてきたが、流石にその気はなかったので、完全にノーリアクションでシカトして、再び眠りにつくように努めようとした。
せいぜい寝床も合わせて8畳ほどのスペースの私が寝ているすぐ横で、若者とベテラン山小屋管理人さかなやさんとのサシ呑みが始まった。
つづく。