2021.7.28 200年後には

2021.7.27

台風が近づくと山頂は下界よりもずっと早く反応をみせる。つまり街の天気予報が役に立たないという事もいえる。山頂濡れガスの中風もある。今日明日の登山は慎重に。

時間 5:00

天気 濡れガス

風 やや強い

気温 11℃

山頂小屋に居ながら、新山山頂はなかなか遠い。近すぎるから、用事がなければ向かえない。素晴らしい天気も昨日までという事で山頂の賽銭回収に今年初の新山散歩。新山が出来てから220年程度、私が山頂小屋の管理人を始めて12年、この12年程度の年月でも新山の岩山の隙間に生きる植物達は確実にその勢力を広げている。最初は日陰に苔が生え、そこに風や動物が種を運び、根を張り、秋には朽ちてそれが土壌となりまた緑が増える。きっとまた200年もすれば今の岩だけで作られた新山は全くの草原のお山になる事だってあるだろう。人間ひとりの命は短い、地球の歴史から見ればほんの一瞬と言っても大袈裟じゃない。今この鳥海の山頂に在る景色はまさに何百年、何千年と続く人間から見たらゆっくりと地球が作り上げた今である。人間の叡知はもう自分達の生活を豊かにしたり自分達の果てしない欲を叶えるものだけであってはならない。人間はそろそろ人間という動物を個人を越えてとらえる時期にきている。その叡知自体が自然から全て学びとったものだから。

それにしても身体痒い。はっきり言ってシャワー浴びたい。人間だもの。